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しぼたん企画

テレビ業界の片隅でひっそり働く現役放送作家が更新するブログです。

【オススメ小説】教場(きょうじょう)

本日読んだ小説がコチラ。

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  •  2013年「ミステリーベスト10」(週刊文集/国内部門)・第1位
  • 2014年「本屋大賞」ノミネート作品
  • 2014年「このミステリーがすごい」(国内編)第2位

この他にも「王様のブランチ」や朝日新聞の「売れてる本」など、

90以上のメディアに取り上げられ、かなりの話題と評判を集めた小説です。

僕がこの小説を買う事にした決め手は、

  • 帯の「初の警察学校小説にして決定版」が最高に気になった。
  • 裏表紙の「すべてが伏線。一行も読み逃すな」の一文に乗せられた。

やっぱり帯とか煽り文って大切ですね。あと個人的には「読者に挑戦」系の言葉を書かれるとついつい買ってしまいます。

 

ありそうでなかった警察学校を舞台にした「教場」。

累計34万部を突破したこの小説、期待通りの面白さでした。

こんな人にオススメです!

  1. 警察小説マニアでマンネリ状態にお悩みの人。
  2. 警察官を毛嫌いしている人。
  3. ミステリー小説で「トリック」より「動機」を重視する人。
  4. 金八先生など「名物教師」が登場する物語が好きな人。

その理由は?

警察小説マニアでマンネリ状態にお悩みの人。

 冒頭でも触れましたが「教場」は「警察学校」を舞台に書ききった初めての小説。

これまで警察小説を読み尽くして来たマニアの方も楽しめると思います。

 

教場では、

警察学校とはどんな所なのか?どんな人が集まるのか?

どんな教師(教官)がいるのか?どんな事を学校で教えるのか?

どんな校則があるのか?休みは?門限は?携帯は使える?

といったマニアックな知的好奇心を満たす事が出来ます。

あくまで小説なので事実と違う部分ももしかしたらあるかもしれませんが、

著者の長岡弘樹さんは、実際に警察官への取材、少ない警察学校の関連資料を

読みあさりこの小説を書いたそうですから、真実味のある話ばかりです。

警察官を毛嫌いしている人。

「警察官大っ嫌い!」な人は一定数居ると思います。僕もそんな人の気持ちは分かります。いきなりタメ口で呼び止められた時は、モヤモヤしてしまいました。

この小説を読めば、警察官の事を尊敬出来る!大好きになれる!と言うつもりは全くありません。でも少しだけ「優しく」なれるとは思います。

大学卒業者は半年、高校卒業者は10ヶ月という期間、生徒は警察学校で学びます。本作に書いてありますが、警察学校は警察官を養成する場所ではなく、警察官の素質が無いものをふるいにかける場所。それ故に警察学校生活は本当に厳しく理不尽。

厳しい訓練と生活に耐え抜いた人達が、晴れて警察官になれたんだ!と思えば少し見方も変わるのでは。

ミステリー小説で「トリック」より「動機」を重視する人。

「教場」では千差万別の性格や過去を持った生徒たちが登場。物語は学校生活の中で彼らが引き起こす数々の事件によって構成されています。

この小説で巻き起こる事件の数々は、驚きのトリックがある…という訳ではありません。ミステリーとしてどんな魅力があるかと言えば、犯人の「動機」にあると感じました。

嫉妬や恥辱、裏切り、疑心、欲望など人間なら誰しも経験する感情、出来事ですが、ほとんどの人が耐えて乗り越えて行きます。しかし我慢出来ない人も居る。犯罪に手を染める人(そこまではいかないまでも悪事をする人)は根っからの悪人である場合は珍しく、必ず動機が存在します。それが警察官を志す様な人間であってもです…。

しかしそんな人間は警察官になる事は出来ない。だからこそ教場はふるいの場所であり、警察官とは誇り高く信頼出来るものなのだと、著者の方は伝えたかったんじゃないかなーと勝手に思っています。

どんな動機で生徒が騒動を起こすのか…具体的には読んでからのお楽しみですね!

金八先生など「名物教師」が登場する物語が好きな人。

さあ!ここからが「教場」最大の魅力といっても過言ではないでしょう!

生徒たちを担当する教官・風間公親の存在がこの小説を抜群に面白くしています。

生徒たちの心理やミステイクを全て見抜く驚きの観察眼と洞察力を持った風間。

読者としては常に風間目線を意識する事で、自分が風間教官となった気分で事件を推理する面白さが味わえます。「生徒のこの行動、風間教官だったら怪しむかな?」と考えながら読むとまた一層この小説にのめり込む事が出来ます。

僕は全く持って見破る事が出来ませんでしたが…。

そして、登場する生徒それぞれに言葉を残す風間教官。一言一言が重くて、的確。そこまでベラベラ話す人物ではない事もあって、尚更言葉が印象に残ります。もしかしたら、貴方の背筋がついつい伸びてしまう気の引き締まる一言があるかもしれません。

おわりに…

教場はミステリーとして面白いのはもちろんの事、現実世界の警察官への見方が変わる影響力を持った小説でした。

今年2月に「教場2」も発売しましたので、こちらも読んでみたいと思います。