しぼたん企画

テレビ業界の片隅でひっそり働く現役放送作家が更新するブログです。

読書感想文の本選びで迷っているなら、とりあえず「重松清」にしとけ!

中学生の可愛い姪っ子が、2年ほど前から夏休みになると「読書感想文」について相談LINEを送信して来ます。彼女は普段から本を読む様な子ではないので、だいたい始めは「どんな本読めばいいの?」というテーマからトークが始まります。

僕は2年連続で「とりあえず重松清と返信しています。

もう最初に言っておきます。読書感想文の本選びで迷っている子供達、

とりあえず、重松清にしておきなさい。

もう一度言うよ。重松清重松清の本を読みなさい。

重松清重松清重松清重松清重松清……

さあ、「重松清」がゲシュタルト崩壊して来た所で、

なぜ、重松清なのか?について語っていきましょう!

なぜ重松清の本は、読書感想文向きなのか?

…その前に「読書感想文に適した本」とは一体なんなのか。

これは個人的な意見ですが、けっこう的を得ていると思います。一言で言います。

「リアルに」共感できる本です。

なぜか!

読書感想文で絶対やってはいけないのが「あらすじ」ばかり書く事です。僕はこのタブーを知らなくて1度書き直しをくらっています。

担任の先生が求めているのは「あらすじ」ではなく「本を読んだ貴方の考え」が知りたいんです。つまり「登場人物のこんな所に共感した」とか「この場面、主人公はこうしたけど、私ならこうするな」とか

「本を読んだ貴方が登場する読書感想文」

でなければダメなのです。とりあえずこれさえ出来ていれば担任の先生に呼び出されて「やり直し!」なんていう最悪のシナリオは回避できます。

 

では話を本筋に戻しまして、なぜ重松清の本は読書感想文向けなのか?

それは「小学生、中学生がリアルに共感できる本」をたくさん書いている作家だからです。

例えば…

くちぶえ番長

くちぶえ番長 (新潮文庫)

 主人公は小学4年生のツヨシ。彼の元にマコトという女の子の転校生がやって来ます。マコトは転校早々「番長宣言」をしてしまう勝ち気な子なんですが、友達想いで優しい性格。特に、弱い者いじめを絶対に許さない、まさに良き番長の見本の様な女の子です。

小学校が舞台ですし、学校生活の事を中心に話が展開されています。小学校の話なら、中学生でも思い起こしながら書いても良いし今の自分に置き換えても考えられます。読書感想文が書きやすい名作です。

他にも… 

きみの友だち (新潮文庫)

 「きみの友だち」は中学生の「友だち関係」を描いた作品で、映画化もされています。これは色々な背景と性格を持った登場人物がでてきますので、共感できる登場人物がきっと見つかると思います。「私はこの子を応援したい!」とか「推しキャラ」を見つけて読み進めてみると、感想文もスラスラ書けると思います。

他にもたくさんあるので自分が「リアルに共感できる」重松清作品を探してみて下さい。

おわりに…

「とりあえず重松清」が夏休みの急上昇ワードになる事を確信して、僕は姪っ子ちゃんにこの記事のURLを送りました。

姪っ子ちゃん、今年の夏は「どんな本読めばいいの?」って送ってこないでね。でも君の事だから重松清の何を読めばいいの?」って送って来そうだね。うん、そこはもう好みの世界だからね。僕は決められないからね。1人で決めるんだよ!