とりあえずホラーマンガ界のツートップは「楳図かずお」と「伊藤潤二」ってことでいいよね?
ホラーマンガをよく読みます。
楳図かずおは言わずと知れたホラーマンガ界の巨匠。赤白ボーダーがトレードマークのおじさんですね。
僕と楳図ワールドとの出会いは、中学時代にまでさかのぼります。当時の担任は結構変わった国語教師で「学級文庫」と称してお気に入りのマンガ作品を教室に置いていました。「ブラックジャック」や「マンガで分かる偉人伝」みたいな為になるマンガをカモフラージュ的に配置し、完全に先生の趣味としか思えないラインナップがほとんど。
楳図かずおの漂流教室
主人公とそのクラスメイトの通う学校ごと、荒廃した未来へとタイムスリップしてしまうという大胆な設定で、小学生たちの厳しいサバイバル生活を描いた本作。僕は初めて一巻目を読んだ時の衝撃は計り知れないものでしたが、それ以上に
「こんなマンガ、教室に置くなよ」
という担任教師への怒りと呆れを感じました。洒落にしても悪意ありすぎでしょ。
しかし今になって思えば、先生の狂気とも言えるこのセレクションが無かったら、僕と楳図かずおとの出会いはもっと遅くなっていたでしょう。漂流教室に出会ってからというもの、僕は様々な楳図作品を読みました。
「神の左手悪魔の右手」「14歳」「おろち」…など、楳図かずおのホラー、SF作品は僕の中学生時代をダークに彩ってくれました。
おかげで女子にはモテませんわな。
青春を生きる学生諸君、楳図かずおにハマるのは止められない、それはもう面白すぎるから。しかし楳図かずお作品を学校の教室で読むのだけは止めておきなさい。マジで。
続いては「伊藤潤二」
「伊藤潤二」…その狂気の漫画家を知ったのは大学生の頃でした。当時住んでいたアパートの近くにブックオフがあったので毎日の様に入り浸っていた僕はある時この作品に出会いました。
伊藤潤二の「うずまき」です。
この作品を読んだ時の僕は中学生時代以上の衝撃を覚えました。ある街が「うずまきの恐怖」によって支配されていくストーリーで紛れも無くホラー作品なのですが、僕は最初読んだ時、爆笑しました。
だって、おっさんがカタツムリになったり、美少女の髪がぐるんぐるんになったりするんですよ。通常のホラーマンガではお目にかかれない描写です。
ホラーと笑いが絶妙に絡む伊藤潤二作品にどハマりした僕は、
「富江」や「ギョ」、そして伊藤潤二傑作集を読みあさりました。
どの作品でも僕を圧倒してくる伊藤潤二の世界観。大学時代を経て大人になり、彼女が出来た僕は、その世界観を彼女と共有すべく、うずまきを読んでもらいました。
僕は忘れません。なんとか読み終わった彼女が見せた「こんなのが好きなんだ。ふーん」と僕を変人認定したと思われる、僕を微妙に見下したあの顔を。