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しぼたん企画

テレビ業界の片隅でひっそり働く現役放送作家が更新するブログです。

嫉妬するほど強気な女の子…話題の青春小説「ジニのパズル」を読んで。

読書メモ

池袋のジュンク堂に行って来ました。月に2、3回は行くんですが、あの店、デカすぎなんですよね…ビル全体が本屋になってて、地下1階から9階まであるんです。一度行くと上から下までチェックして巡るので、だいたい2時間ぐらい居れちゃいます。

今日読んだのは、そんな池袋ジュンク堂で買った本。

「ジニのパズル」

ジニのパズル

購入を決めたポイント

僕が「ジニのパズル」を買う事に決めたポイントは3つ。

  1. 第59回群像新人文学賞受賞作だから。
  2. 「崔実(チェ・シル)」という作家が気になったから。
  3. 舞台が「朝鮮学校」という強気のテーマだったから。

まず「群像」は講談社が発刊している文芸雑誌で、創刊は1946年10月からという歴史深い文芸雑誌です。そんな「群像」の「新人文学賞」。一流作家の登竜門として数多くの作家達がその冠を狙っているわけです。村上春樹中沢けい村上龍など、名だたる一流作家がかつてこの賞を勝ち取ってきました。だからこそ群像新人文学賞の受賞作というのは、信頼できるんです。

次に「ジニのパズル」の著者・崔実(チェ・シル)さん。買う前にちょこっとググってみたんですが、可愛い!(すいません小説家に顔は関係ないですがつい笑)

最後に、本作の舞台が「朝鮮学校であるという事。僕はこの事を買う前に帯を読んで知ったのですが、真っ先に映画の「パッチギ!」と「GO」を思い出しました。

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 二つとも良い映画ですが、賛否両論ある作品です。それはテーマ性によるものだと思っていますが、この「ジニのパズル」もこの2つの映画と同じテーマ性を含んだ作品なんだろうなと帯を読んだ時に感じました。難しいテーマです。それ故に著者の強気を感じました。

感想!

主人公のジニがとてもカッコ良かった…。人種の壁や言語の壁、いじめ、暴力…あらゆる人生の障壁からジニは逃げなかった。「こんな風に強く生きられたらな」とジニへの嫉妬に近い感情もありながら憧れました。

あと個人的に印象に残った箇所が1つ。ジニが日本の朝鮮学校に通っている時に、北朝鮮からテポドンが飛んでくるんです。もちろん日本には届きませんが、国内では大変なニュースになります。現実に僕がこのテポドンのニュースを見た時、「日本には届かなかった。良かった」と思っただけだったんです。

しかしジニの様な朝鮮学校に通う生徒たちは違うんですよね。その日、生徒たちは制服のチマチョゴリを脱ぎ、体操服で学校へ通ったというのです。周りからの差別を恐れて。ハッとしました。届か無かったミサイルに影響を受ける人たちが居るんだと気付かされました。

よく考えたら当たり前の事のなのかもしれませんが、1つ新たな目線で物事を見る事が出来ました。それだけで読んだ価値があったかなと思います。

おわりに

難しいテーマだったと思いますが、ジニのおかげでポジティブに読む事が出来ました。本作は崔実さんの人生経験がふんだんに盛り込まれたと思われる作品だったので、今度は小説家としての想像力が全力で発揮された新作を読んでみたいですね。群像の新人賞を勝ち取った崔実さんですから今後も期待大です!

ジニのパズル

ジニのパズル