ロシアのドーピング問題…この映画を思い出しました。
国ぐるみでドーピングを行っていたと見られているロシア。今朝はこのニュースを集中的にチェックしてから仕事に向かいました。
ロシア代表の全陸上選手がオリンピック出場不可という厳しい判断が下されましたが、僕はこのニュースを見て、ある映画を思い出しました。
レーサー/光と影
2014年にカナダで製作された、実話に基づいた映画です。
当時ロードバイクにハマっていた僕は、ロードレース映画を集中的に見ていました。そんな時に出会ったこの映画。主人公は、実在した女子ロードレーサー・ジュヌヴィエーヴ・ジャンソン。「光と影」というタイトルの言葉通り、彼女の人生は「栄光と転落」、この二極に分かれます。
彼女は、世界選手権自転車競技大会において「17歳」という若さで優勝。さらにシドニーオリンピックではカナダ代表として選出される程、輝かしいキャリアを誇るレーサー。
しかしその一方で、男性コーチの指示もあったのですが、ドーピングを繰り返し、検査結果も無理矢理ごまかし続けていました。
サイクルロードレースの世界では、特に創世記、ドーピング行為が横行していたそうです。肉体の限界に兆戦する極限競技ですから、ドーピングの力はそれはもう絶大なんでしょう。
この映画の主人公である彼女も、彼女にドーピングを指示した監督も、キャリアと国の威信を背負い、究極のプレッシャーの中で戦っている中でドーピングという禁断の果実に手を出してしまったのだと思われます。その葛藤は素人の僕でも想像できます。
しかしドーピング行為はその恩恵以上に、彼女から多くのものを奪っていきます。
名誉、信頼、健康、精神、プライド。
この映画は非常に後味の悪いものです。しかしそれ故に考えさせられます。
現実、僕たちはドーピングによって大切なものが奪われようとしています。
ドーピングに対する疑念で、純粋に選手を応援する事が出来ない。もっと簡単に言えば、もう僕はオリンピックを楽しめない。そんな不安が付きまといます。
ドーピング。恨み深いです。